朝、事務所に出勤すると誰もいない。
そして、わたくしの机には箱一つ。メモと一緒に置かれてあった。
「クインさんへ。お客さんのお土産です。持って帰って食べてください」
うなぎパイの詰め合わせが、封も切らずに置かれてあった。
(余談だが、「夜のお菓子」うなぎパイには、ブランデー入りバージョンがある。謳い文句は「真夜中のお菓子」。酒が入ると、時間帯も進むのか? これだから大人って!)
少し前。
所長宛てにお歳暮が届いた。ダンボール一箱分のみかん。
所長:「クインさん。半分ずつ分けよう。こんなにあっても腐らすから」
無類のみかん食いであるクインが断るはずもなく、ビニール袋いっぱいに持って帰った。
先日。
営業さん宛てにお歳暮が届いた。モノはこれまたダンボール一箱分のみかん。
営 業:「クインさん。みかん好き?」
クイン:「好き」(くい気味で即答)
営 業:「じゃあ、コレ。あげる」
クイン:「あげるって、一箱全部? マジっすか?」
営 業:「うん。オレ独身やし、食べんもん」
ちょうど前回所長に頂いたみかんを食べ切った頃だったので、遠慮なく頂戴する。チャリ通勤で持って帰れないので、宅急便出動。自分で自分にお歳暮を贈ることになる。今年もお世話になりました。
まあ、流れとしては自然だよね。独身の男にナマモノだもの。
そして今日。
営 業:「クインさん。ウィスキー好き?」
クイン:「ああ、飲めますよ」
営 業:「じゃあコレ。あげる」
と、出してきたのは、これまたどう見てもお歳暮のウィスキー。
クイン:「あ、あの! お歳暮というお歳暮を、片っ端から頂いてるようなんですが…」
営 業:「ああ、オレ、ビールと焼酎くらいしか飲めんし。独身やからもらっても処理しきれんし。クインさん、酒強そうやもんなー」
ああ、そうか。独身だから……って、酒は別にいいんじゃないか?
そして今の職場で酒がらみの話をしたことが一度もないんですが…
なんかこれでは、影の支配者っぽくてなんだかなー。
っていうか、鵜飼いみたいでなんだかなー。
なんて考えていたんですが、ふいに思った。
そんなことはないとわかってはいるのですが、
もしかしてこれらって……
お供え物?
わたくし、供物されてる?
だとしたら、願い事とか叶えにゃならんのだろうか?
雨を降らせたりとか? 疫病を退けたりとか?
これからますますエスカレートして、最終的に尾頭付きの鯛とか頂き始めたら、
ボグワーツ魔法学校を探そうかと思ってます。










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